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No.162026.01.20

冬の日の、二つの景色。命のリズムに寄り添うということ。

冷え込む朝、水槽をのぞき込んだとき。 そこには、季節を忘れたような元気な泳ぎがあるでしょうか。それとも、時が止まったような静かな眠りがあるでしょうか。

Juane * です。こんにちは。

冬の金魚の過ごし方は、お家によって、そして金魚によってさまざまです。今日は、それぞれの場所で刻まれている「冬のリズム」についてお話しします。

ぬくもりの中で、変わらない日常

お部屋が暖かかったり、ヒーターで水温を保っていたり。春のようなぬくもりの中で過ごす金魚たちは、冬の間も変わらず軽やかに泳ぎ、私たちに元気な姿を見せてくれます。

静寂の中で、春を待つ力

一方で、自然のままの寒さの中にいる金魚たちは、今、そっと身を潜めて「冬の眠り」についています。 心臓の鼓動をゆっくりにし、呼吸を深め、エネルギーの消費を極限まで減らす。一見すると動かないその姿は、厳しい冬を生き抜くために彼らが選んだ、とても賢く、力強い生存戦略です。

時が止まったようなその静かな佇まいを見つめていると、命がただ「そこに在る」ということの重みが、じわりと伝わってくる気がします。春に再び力強く泳ぎ出すための、尊い「充電」の時間なのですね。

素敵ですね。

信じて、見守るというケア

特に冬眠状態にある金魚にとって、私たちができる一番の贈り物は「何もしないこと」かもしれません。 消化の働きもほとんど止まってしまうほどの低水温では、エサやりを控えることが、彼らの体を守ることに繋がります。

「お腹が空かないかな?」と心配になりますが、彼らの持つ自然のリズムを信じて、ただ静かな眠りを邪魔しないこと。それは、相手の命の力を心から信頼していなければできない、一番贅沢な「ケア」だと言えるかもしれません。

それぞれの冬、それぞれの光

元気に泳ぐ冬も、静かに耐える冬も。 どちらも、金魚が「今」という時間を懸命に生きている、かけがえのない姿です。寒さを越え、春の光が差し込む頃。再び輝き出すその命の躍動を心待ちにしながら、今はそれぞれのペースで流れる時間を、大切に見守っていきたいですね。

私たちJun * Juaneも、そんな冬の日の静謐な空気感や、春を待つ命の震えを、これからも作品の中に映し出していきたいと思っています。

【参考資料】

変温動物としての生理機能:金魚は、周囲の温度に合わせて自分の体温が変化する変温動物です。水温が低下すると、酵素の働きや代謝率(Q10係数)が著しく低下し、それに伴って心拍や呼吸数も最小限に抑えられます。

無胃魚の消化メカニズム:金魚には解剖学的な「胃」がなく、消化酵素が働く効率は水温に強く依存します。水温が10℃〜12℃を下回ると消化能力がほとんど機能しなくなるため、低水温時の給餌は腸内での腐敗や転覆病の直接的な原因となります。

冬眠(休眠)の定義:水温が5℃〜10℃以下で活動を停止する状態は、厳密には「休眠」に近いですが、一般的には「冬眠」と呼ばれます。この時期に無理な給餌や水換えなどの刺激を避けることで、春に向けてのホルモンバランスが整い、個体が丈夫になることが知られています。

環境による管理の差:室内で水槽用ヒーター等を用いて15℃〜20℃以上に保つ場合は、代謝が維持されるため冬眠は起こりません。一方、自然の温度変化に任せる場合は、冬眠をさせることで翌春の産卵のスイッチが入りやすくなるという、伝統的な養魚の知恵もあります。