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No.152026.01.20

「おなかいっぱい」を知らない魚。一粒に込める、命との距離。

金魚が一生懸命にエサをねだる姿は、見ていて本当に愛おしいもの。 ついつい「もっとあげたくなってしまう」けれど、実は彼らの体には、私たち人間には当たり前にある「ある感覚」が備わっていません。Juane * です。こんにちは。

今日は、金魚の不思議な「おなか」の仕組みと、私たちがブレーキ役になってあげることの大切さについてお話しします。

終わりなき食欲のひみつ

金魚にエサをあげると、どこまでも食べ続けてしまうように見えませんか? それもそのはず。金魚には、食べたものを溜めておく「胃」がないだけでなく、実は「おなかがいっぱいになった」と感じる満腹中枢も、私たち人間のように発達していないと言われています。

野生の世界では、いつ次の食事にありつけるか分かりません。「食べられる時に、あるだけ食べる」という本能が、彼らを突き動かしているのですね。

私たちが、彼らの「感覚」になる

「もっと食べたい!」と全身でアピールされると、ついつい手が伸びてしまいます。 けれど、胃がなく消化がゆっくりな彼らにとって、食べすぎは体に大きな負担をかけることになります。彼らが自分ではかけられないブレーキを、私たちが代わりにそっとかけてあげる。

「今日は水が冷たいから、これくらいにしておこうね」

「昨日はたくさん食べたから、少しおなかを休ませようか」

それは、一方的な管理ではなく、彼らの体の声に耳を澄ませる、とても繊細な対話の時間でもあります。

見守る、という愛の形

パクパクと水面に集まる元気な姿を確認できたら、そこでおしまい。「まだ欲しがっているのに」と思うかもしれませんが、その一粒を控えることが、彼らの明日の輝く鱗や、軽やかな泳ぎを守ることに繋がります。

満たしてあげることだけが愛情ではなく、健やかさのために一線を引く。その静かな見守りこそが、金魚という小さな命と長く、健やかに共に歩んでいくための秘訣なのかもしれません。

一粒に込める、明日の健やかさ

金魚にとって、エサの時間は生命エネルギーを受け取る大切な瞬間。 おなかを満たす満足感の代わりに、私たちは「明日も元気に泳げる体」という贈り物を手渡しているのかもしれません。一粒のエサを通して、彼らの命のリズムと向き合う。 私たちJun * Juaneも、そんな一瞬一瞬の対話を大切にしながら、これからも命の力強さを表現していきたいと思っています。

【参考資料】

満腹中枢の欠如と本能:コイ科の魚類は、常にエサを探し続ける摂食行動が本能的に組み込まれており、哺乳類のような明確な満腹感を感じにくいとされています。そのため、飼育下では過給餌による消化不良が起こりやすいのが特徴です。

無胃魚の消化メカニズム:胃がないため消化液が弱く、多量のエサは腸内で腐敗しやすく、転覆病や内臓疾患の直接的な原因となります。