三色デメキン — 瞳に宿る洞察と、五彩が奏でる「共生」の譜。
突き出した大きな瞳と、筆で描いたような鮮やかな色彩。三色(キャリコ)デメキンを見つめていると、まるで動く現代アートを眺めているような、不思議な高揚感を覚えます。この金魚は、単に美しいだけでなく、現在私たちが愛でる多くの三色系品種の「はじまりの物語」をその身に宿しています。こんにちは、Juane * です。
今日は、多様な個性が一匹の中で響き合う、写真の金魚「三色デメキン」の深い造形美についてお話しします。
すべてを包み込み、新しさを生む「母」の姿
三色デメキンの歴史は、新しい美しさを生み出そうとした人々の飽くなき探究心の歴史でもあります。明治時代、この金魚が日本にやってきたことで、それまでの「赤と白」の世界に、藍色や墨色という新しい風が吹き込みました。この子がいたからこそ、キャリコ琉金や東錦、江戸錦といった華やかな品種たちが誕生しました。
異なる要素を否定せず、自らの中に取り入れて新しい価値を創り出す。その姿は、私たちが多様な他者と出会い、新しい自分を見つけていく「可能性」そのものを象徴しているようです。
突き出した瞳が捉える「内なる調和」
出目金としての最大の特徴であるあの瞳は、すべてを広く見渡す「洞察力」の象徴です。そして、その視線の先にある自らの体には、赤、白、青、黒といった全く異なる色が、モザイクのように散りばめられています。個々の違いを認めつつ、全体として調和する「共同体感覚」を大切にする・・・。
三色デメキンの体の上では、どの色も主役であり、同時に他の色を引き立てる脇役でもあります。バラバラな個性が一匹の中で見事に調和している姿は、私たちが社会の中で自分らしく、かつ他者と共に生きるための美しいヒントをくれている気がします。
混ざり合うことで、輝きは増す
三色デメキンを眺めていると、一人ひとりの個性が混ざり合うことで、世界はこんなにも豊かになるのだと教えられます。 あなたの持つ色も、誰かの色と響き合うことで、もっと鮮やかに輝き出すはず。水の中に広がる、色と命のシンフォニー。三色デメキンという名の「多様性の原風景」を、これからも皆さんと共に大切に愛でていけたら嬉しいです。
品種の成立と来歴 : 1890年代(明治時代)に中国から日本へ導入されました。出目金の突然変異として現れた「モザイク透明鱗(キャリコ模様)」を固定化したものです。この個体が後に、初代・秋山吉五郎氏の手によって琉金と交配され、「キャリコ琉金」が誕生するきっかけとなりました。
色彩の多因子遺伝 : キャリコ模様は、鱗に反射層がある「普通鱗」と、反射層がない「透明鱗」が混ざり合うことで生まれます。透明な部分から透ける内臓や組織の色が、光の干渉によって青(藍色)に見えるため、赤・白・黒に加えて「青」という五彩の表現が可能になります。
造形と鑑賞 : 出目金本来の「魔除け」や「見通す力」という意味に、キャリコ(更紗模様)の「おめでたさ」が加わった、非常に縁起の良い品種とされています。上から見ても横から見ても、色彩の変化が楽しめるため、現代の鑑賞スタイルにおいても非常に人気が高い品種です。





