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No.762026.01.28

白出目金 — 澄んだ瞳で世界を観る「無垢なる観照者」。

ユーモラスな風貌で親しまれる出目金。その中でも、一点の曇りもない「白出目金」の姿は、まるで夜空に浮かぶ銀の月、あるいはすべてを見通す水晶玉のようです。その突き出した大きな瞳は、単なる愛嬌ではありません。それは、表層に惑わされず、世界の真理を静かに見つめようとする「叡智の象徴」のようにさえ感じられます。Juane * です。こんにちは。

今日は、突出した個性が生んだ美、白出目金の「見つめる力」についてお話しします。

「突き出した瞳」が捉える、心の深淵

出目金の最も象徴的な特徴は、その大きくせり出した両の眼です。白一色の体躯に宿るその瞳は、まるで広い世界を余すところなく捉えようとする「好奇心の結晶」。 私たちは、ついつい自分の見たいものだけを見てしまいがちです。しかし、広い視野を持つ白出目金の姿は、偏見を持たず、ありのままの世界を丸ごと受け入れることの大切さを物語っています。その真っ直ぐな視線は、観る者の心の奥底にある嘘をも、優しく暴いてしまうような清冽さを持っています。

「透明な白」が映し出す、真実の光

赤や黒といった強い色彩を持たない白出目金は、水槽のわずかな光の変化、そして周囲の色彩をその身に柔らかく映し出します。それは、自分自身を透明に保つことで、周りの美しさを引き立てる「調和の美」です。 「自分を強く主張しなくても、そこにいるだけでいい」。白出目金の無垢な白は、私たちが社会の中で忘れがちな「受容」という名の強さを思い出させてくれます。何色にも染まらない白は、同時に、どんな色をも包み込む慈愛の色でもあるのです。

「羽衣」のように舞う、自由への飛翔

出目金は、琉金(リュウキン)譲りのふっくらとした体型と、優雅に広がる尾鰭(おひれ)を持っています。白出目金がゆったりと水を捉え、ひらひらと鰭をなびかせて泳ぐ様は、天女の羽衣が水中で舞っているかのようです。 少し不自由そうに見えるその大きな瞳を抱えながらも、軽やかに、そして自由に水中を遊泳する。その姿は、自分の特性(個性)を重荷とするのではなく、それを翼に変えて生きていくことの美しさを体現しています。

白出目金を眺めていると、狭くなっていた自分の視野が、すっと外側へと広がっていくのを感じます。大切なのは、何を見るかではなく、どんな心で見つめるか。 飾らない白、そしてすべてを観る瞳。私たちは、この「真っ直ぐな眼差し」を大切に、これからも一文字ずつ、愛を込めて紡いでいきたい。透明な心で、世界を愛するために。白出目金という名の「静かなる賢者」に、深い敬意を込めて。

【参考資料】

品種のルーツ : 出目金は江戸時代、中国から渡来した品種で、琉金の突然変異を固定化したものとされています。そのユーモラスな形は古くから日本人に愛され、浮世絵の題材などにも数多く登場してきました。

造形的特徴 : 出目金の鑑賞ポイントは、左右対称に突き出した大きな眼と、琉金譲りの体高のある丸い体、そして優雅な尾鰭です。白出目金(素白)は、色の情報が削ぎ落とされる分、左右の眼のバランスや尾鰭の広がりといった「シルエットの完成度」がよりシビアに観察される、美学的な深みを持つ個体です。

視覚の不思議 : 物理的な視力は決して良くないと言われる出目金ですが、その大きな瞳は光の屈折を複雑に取り込み、独自の輝きを放ちます。特に白一色の個体は、眼の周囲の陰影が際立ち、他の金魚にはない「表情の豊かさ」を感じさせるのが特徴です。