オーロラ — 水底にたなびく、光のベール。
水槽の中に、ひらりと長いリボンが舞うような感覚。その金魚が泳ぐたび、水の中に光の道筋が見えるような錯覚を覚えることがあります。その名は「オーロラ」。比較的新しい品種でありながら、多くの人を一瞬で虜にする、現代の傑作の一つです。Juane * です。こんにちは。
今日は、天上の輝きをその身に纏ったような、オーロラのしなやかな美学についてお話しします。
伝統を繋ぎ、新しい風を吹かせる
オーロラは、江戸錦(背びれのない三色の金魚)と、長く美しい尾ひれを持つ朱文金(シュブンキン)の交配から生まれました。 ずんぐりとした江戸錦の愛嬌と、シュブンキンの軽やかなスピード感。一見、相反するような二つの個性が、長い年月と情熱をかけて重ね合わされ、この奇跡のようなシルエットが誕生したのです。
影さえも美しい「光の層」
オーロラの最大の魅力は、その「尾ひれ」と「鱗」の重なりにあります。 江戸錦から受け継いだ透明感のある鱗は、光を優しく透過させ、体の中に色を閉じ込めているように見えます。そして、その体の後方に続く、長く繊細な四ツ尾。泳ぐたびにその尾ひれが波打ち、重なり合う様子は、まさに北の空に揺らめくオーロラのように見えます。
「自分らしさ」という新しい価値
オーロラという品種が生まれるまでには、多くの試行錯誤がありました。既存の型に当てはめるのではなく、「もっと自由に、もっと美しく」という探究心が、この新しい命の形を作り出したのです。過去に縛られず、今ここから新しい自分を創造していくこと。異なるルーツを統合し、全く新しい美しさを放つオーロラの姿は、私たちに「変化を恐れず、自分だけの輝きを磨くこと」の素晴らしさを教えてくれているように感じます。
水の中の「自由」を描く
オーロラが優雅に水を切って泳ぐ姿は、見ている私たちの心まで自由にしてくれます。 決まった形にとらわれず、ただその一瞬の揺らぎを肯定する。私たちJun * Juaneも、このオーロラが描く光のベールを、その一筋の輝きまで余すことなく捉えたい。 新しさと伝統が響き合うその姿を、これからも現代の「造形美」として、大切に語り継いでいきたいと思っています。
品種の作出 : 埼玉県の水産研究家、故・川原伸之氏によって作出されました。江戸錦と、長く流れるような尾を持つ朱文金(特にコメット型に近い個体)を交配し、約20年の歳月をかけて固定化された比較的新しい品種です。
形態的特徴 : 最大の特徴は「背びれがない(らんちゅう型)」ことと、「尾ひれが長く、かつ四ツ尾(または三ツ尾)である」ことです。江戸錦の体型とシュブンキンの尾の長さを併せ持つことで、独特の優雅な遊泳スタイルが生まれます。
色彩の遺伝 : 江戸錦譲りの「モザイク透明鱗」を持っており、キャリコ(三色)模様が特徴です。透明な鱗と普通鱗が混ざり合うことで、色彩に奥行きと透明感が生まれ、光の当たり方によって見え方が複雑に変化します。





