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No.642026.01.22

令和水景図:第七景「水際の健啖(けんたん)・満腹の苦味(にがみ)」

江戸時代にも大食い大会があったらしい。

挑戦してみたいとは思わないけど、美味しそうに沢山食べる人は好き。

【解説】

作品名:
令和水景図:第七景「水際の健啖(けんたん)・満腹の苦味(にがみ)」
主演:
底なしの胃袋を持つ暴れん坊と、浮世の風に吹かれる介抱役
特記:
掲げた算盤は虚栄の数。飲み下した蕎麦の先に、極楽は見えず。

さて、次にお目にかけまするは、江戸の情緒漂う水際で繰り広げられる「大食い大会」の阿鼻叫喚。鉢巻を締め、我こそはと巨大な鉢に食らいつく金魚たちの姿は、もはや美食の域を超えた「業」そのものでございます。後ろの掲示板に並ぶ勝ち星は、飲み込んだ麺の長さか、あるいは積もり積もった見栄の数か。

しかし、過ぎたるは猶及ばざるが如し。画面端では、己の限界を読み違えて腹を出し、カエルに扇がれながら「もう一口も入らぬ」と悶絶する無様な姿も。美食の悦びと満腹の苦しみは紙一重。飽食の令和を泳ぐ金魚たちが、胃袋という名の底なし沼でもがく様は、どこか滑稽で、どこか身につまされる趣がございましょう。